公的部門の主体による一般目的財務報告の概念フレームワーク(The
Conceptual Framework for General Purpose Financial Reporting by Public
Sector Entities)(原文公表:2014 年10月31日)
1.概念フレームワークの位置付け
概念フレームワークは、今後IPSASBが国際公会計基準(IPSAS)等の文書を開発・改訂する際に、その基礎となる概念を定める重要な文書である。また、概念フレームワークを有しない国が独自基準を制定・改訂する際にも、その基礎として使用されることが期待されている。
2.概念フレームワークの構成
- 趣意書
- 第1章:概念フレームワークの役割及び権威
- 第2章:一般目的財務報告の目的及び利用者
- 第3章:質的特性
- 第4章:報告主体
- 第5章:財務諸表における構成要素
- 第6章:財務諸表における認識
- 第7章:財務諸表における資産及び負債の測定
- 第8章:一般目的財務報告書における表示
各章の概要
趣意書
税や社会給付などの非交換取引、議会による予算承認、債務不履行でも政府は継続すること、資産はキャッシュ・フロー生成だけでなくサービス提供が重要な役割であること、法規制の影響、会計と統計との関係といった、公的部門が民間企業と異なる点について概説している。
第1章: 概念フレームワークの役割及び権威
本概念フレームワークは、発生主義会計を採用している公的部門の主体による一般目的財務報告の基礎を成す概念を定めるものである。IPSASBは、今後、IPSASや推奨実務ガイドライン(RPG)を新たに策定する際、あるいは見直す際に、ここで定める概念に基づくことになる。
第2章:一般目的財務報告の目的及び利用者
公的部門の主体の財務報告の目的は、「説明責任目的」及び「意思決定目的」に向けて、一般目的財務報告(GPFR)の利用者に有用な、主体に関する情報を提供することである。
GPFRの主要な利用者は、「サービス受領者」と「資源提供者」、及びそれぞれの代表者である。市民は上記の双方に該当する。
第3章:質的特性
GPFRに含まれる情報の「質的特性」とは、その情報を利用者に有用なものにし、財務報告の目的(意思決定・説明責任)の達成を支える属性である。
公的部門の主体のGPFRに含まれる情報の「質的特性」は、「目的適合性」、「忠実な表現」、「理解可能性」、「適時性」、「比較可能性」及び「検証可能性」の6つである。
第4章:報告主体
公的部門の報告主体とは、GPFRを作成する主体のことであり、政府や公的部門の組織であり又は活動プログラムであることもある。公的部門の報告主体は複数の主体を含む場合があり、そのような報告主体は「グループ報告主体」と呼ばれる。
第5章:財務諸表における構成要素
概念フレームワークでは、「資産」、「負債」、「収益」、「費用」、「所有者による拠出」、「所有者に対する分配」の6つの構成要素を定義している。
第6章:財務諸表における認識
認識とは、①構成要素の定義を充たし、②質的特性を充足し、③GPFRに含まれる情報に課せられる制約条件を考慮する方法で測定される項目を、④適切な財務諸表の本体に表示される金額に組み込み、計上する「プロセス」である。
第7章:財務諸表における資産及び負債の測定
概念フレームワークでは、資産と負債について測定基礎を定めている。これらの測定基礎は、主体の「サービスの原価」「運営能力」「財政能力」を最も忠実に反映するものを選択する必要がある。本章では、それぞれの測定基礎について、上記の3つの視点から解説を行っている。
第8章:一般目的財務報告書における表示
本章は、政府その他の公的部門の主体の財務諸表をはじめ、一般目的財務報告書における情報の表示に適用される概念を定める。
関連リンク等
国際公会計基準審議会「公的部門の主体による一般目的財務報告の概念フレームワーク」の仮訳について
| 日本公認会計士協会
IPSASB概念フレームワークの解説① |
日本公認会計士協会
IPSASB概念フレームワークの解説② |
日本公認会計士協会
コーナー編集担当 伊澤賢司・蕗谷竹生
