「2 社会経済の動向等と会計検査院をめぐる状況」の記載では、平成24年次から東日本大震災が大きく認識され、復旧・復興に資する会計検査に取り組んでいく方針が打ち出されています。
「3 会計検査の基本方針」の「(1)重点的な検査」に掲記されている重点検査対象とする施策分野には毎年大きな変更はありません。これは、会計検査が国の重要施策を幅広く対象としていることを示しているといえるでしょう。
「(2)多角的な観点からの検査」に記載の検査の各観点は、会計検査院法に定められたもので、年次ごとに変更されるものではありません。しかし、いくつかの点で会計検査の戦略的な側面が打ち出されてきていると思われます。
例えば、正確性・合規性の観点についての記載では、検査対象機関の内部統制が未だ有効に機能してない状況とそのような状況に対する会計検査院の対応方針が明記されるようになりました。
また、政府において整備・強化が進められている様々な評価制度やチェック機能に留意することや、再発防止の重要性、そのための制度改革促進を念頭に検査することが強調されてきています。
そして、同じく政府において進められている公会計改革により明らかとなった発生主義等に基づく財務情報を会計検査においても活用する方針が新たに打ち出されています。国では国の財務書類等や政策別コスト情報の活用について、地方自治体でも統一化が進められる新たな公会計情報について、その活用が議論されています。会計検査院における財務情報の活用は、国会や地方議会、監査委員監査や内部監査機関などにおいても参考になる取組ではないでしょうか。
「4 的確な検査計画の策定」において、「検査に当たって重点的に取り組むべき事項を検査上の重点事項として設定する」とあります。各検査課別に立案される検査計画の内容や、何が検査上の重点事項として設定されているかについては、これまで公表されたことはありません。
検査計画を事前に明らかにしないことで会計検査の有効性を高める面もあるでしょうが、諸外国の会計検査院での主要な検査テーマの事前公表の状況や、今年次の会計検査の重点事項等を事前公表することによる検査の透明性確保や牽制効果などのメリットを検討していく必要があるでしょう。
コーナー編集担当:柴 健次