2015年12月8日から12月11日にカナダのトロントにおいて開催された、国際公会計基準審議会(IPSASB)の会議の報告記事です。
この会議では、以下の3つの文書が承認され、その後いずれも2016年1月及び2月に公表されています。
公開草案第59号 『IPSAS第25号『従業員給付』の修正』
( Exposure Draft 59, Amendments to IPSAS 25, Employee Benefits )
IPSAS第25号は、公務員の給与や退職金等を扱う基準です。国際会計基準(IAS)第19号を基に作成されています。2008年のIPSAS第25号の公表後、IAS第19号には「回廊アプローチ」の廃止、「利息純額アプローチ」の採用などの改訂が行われております。
本公開草案は、IASの近年の改訂をIPSAS第25号に取り込むことを提案しています。
公開草案第60号 『公的部門の結合』
( Exposure Draft 60, Public Sector Combinations )
現状、IPSASには結合を扱う基準は存在しておらず、IPSAS適用にあたっての障害のひとつとされています。
本公開草案は上記の課題に対応し、公的部門の主体によるすべての結合を扱うことを原則としています。本公開草案では、公的部門の結合を「統合」と「取得」の2つに大きく分類します。
結合の分類にあたっては、まず「支配」の有無を判断し、結合前に支配が存在しない場合は当該結合を「統合」と分類します。
「支配」が存在する場合は、当該結合を「取得」と分類する「反証可能な推定」が成立します。
対価の指標や意思決定の指標に加えて経済的実質を総合的に勘案し、上記の推定が反証される(=「統合」になる)か否かを最終的に検討します。
「統合」と分類された結合は「修正持分プーリング法」を適用し、帳簿価額で結合します。
「取得」と分類された結合は「取得法」を適用し、時価(公正価値)で結合します。
公開草案第61号『現金主義会計による財務報告(現金主義IPSAS)の修正』
( Exposure Draft 61, Amendments to Financial Reporting under the Cash Basis of Accounting (the Cash Basis IPSAS) )
IPSASには大きく発生主義のIPSASと現金主義のIPSASがあります。
現金主義のIPSASは、発生主義IPSAS適用の中間点として位置づけられています。
また、2003年の発行以来、大きな修正が行われておらず、適用が低調であることが課題とされています。本公開草案は、主要な適用上の障害と考えられる、「連結財務諸表作成」等の要求事項を緩和することを提案しています。
国際公会計基準審議会(IPSASB)2015年12月会議の報告 | 日本公認会計士協会
記事出典:日本公認会計協会 Webサイト-国際動向紹介
添付記事の無断複製・転用・公開、第三者使用を禁止する。
コーナー編集担当 伊澤賢司・蕗谷竹生