Vol.42コンサルテーション・ペーパー「収益及び非交換費用」の解説
2017年8月に公表されたコンサルテーション・ペーパー「収益及び非交換費用」の解説です。
現行のIPSASの収益基準には、税収などの非交換収益を扱うIPSAS第23号と、民間企業の売上と同様の交換収益を扱うIPSAS第9号の2つの基準があります。
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IPSAS第23号には、複数年度にわたる補助金の収益計上時期(一括計上か分割計上か)について、使用する年度が後年の場合でも補助金受領時に一括収益計上を余儀なくされる場合があるため、実務上の不満が生じています。また、非交換と交換の境目があいまいなことも、実務上の問題点とされています。
- ②
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IPSAS第9号は、IAS第18号に基づいています。IAS第18号に代わるIFRS第15号が公表されたため、こちらはIFRSとの整合性確保の必要性が生じています。
- ③
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費用側にも問題があります。収益側と異なり、費用側には専用のIPSAS基準が存在しません。補助金費用等の非交換費用は公的部門特有の論点であり、ニーズが高いため専用のガイダンスを検討することになりました。
- ④
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2014年に公表されたIPSASBの「概念フレームワーク」との整合性も確保する必要があります。
上記のような様々なニーズに一括して対応するのが、今回公表されたコンサルテーション・ペーパーになります。
このコンサルテーション・ペーパーでは、収益を3種類に区分し、それぞれに合った会計ガイダンスを定めることを提案しています。
- カテゴリーA
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税金や付帯条件のない補助金などの収益には、現行IPSAS第23号の改良版となる基準
- カテゴリーB
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付帯条件付きの補助金などの収益には、IPSAS第23号改訂版か、公的部門用の履行義務アプローチに基づく新基準のいずれか
- カテゴリーC
- 履行義務を伴う収益には、IFRS第15号と同様の新基準
費用側にも、収益と鏡合わせになる2つの考え方を用意しています。
関連リンク等
【IPSASB】国際公会計基準審議会コンサルテーション・ペーパー「収益及び非交換費用の会計」の解説
| 日本公認会計士協会
コーナー編集担当 伊澤賢司・蕗谷竹生