2017年8月に公表された、IPSASB公開草案第62号「金融商品」の解説です。
現行IPSAS第29号「金融商品:認識及び測定」は、IAS第39号に基づいています。そのIAS第39号に代わるIFRS第9号との整合性を引き続き確保するために、IPSAS第29号を改訂するIFRSコンバージェンス型のプロジェクトの成果物になります。
IFRS第9号では、すべての金融資産を、契約上のキャッシュ・フローが元本とその利息のみからなるかどうかと、金融資産の保有目的という2つの要件に基づいて分類します。本公開草案でもIFRS第9号を参考に、金融資産の分類と測定の方法を統一的に定めています。
なお、IPSAS第29号では、金融資産の種類ごとに異なる測定方法を定めています。
次に、IFRS第9号では予想信用損失モデルを金融商品の減損会計に採用し、従来の減損モデルよりも早期かつ多額に減損損失を計上するようになりました。これも本公開草案で取り入れています。
他にも規則主義的であるという批判のあったヘッジ会計について、これまでよりも弾力的な適用を可能としています。例えば、ヘッジ有効性評価の数値基準を撤廃し、定性的な評価も認めるようになっています。
本公開草案で新たに盛り込まれた公的部門特有の論点はあまり多くありませんが、将来税収の証券化スキームの会計処理が挙げられます。
【IPSASB】国際公会計基準審議会(IPSASB)公開草案第62号「金融商品」の解説 | 日本公認会計士協会
コーナー編集担当 伊澤賢司・蕗谷竹生