コンサルテーション・ペーパー「遺産に関する公的部門の財務報告」が2017年4月に公表されています。
このコンサルテーション・ペーパーにおける遺産は、個人の遺産ではなく、ユネスコの定義に近い、国や地方政府にとっての遺産を想定しています。例えば、歴史的建造物や、美術品、国立公園などが考えられます。
IPSAS第17号「有形固定資産」は、遺産資産の認識を認めていますが、強制はしていません。遺産資産を認識した場合には、IPSAS第17号の開示規定に従う必要がありますが、測定に関する要求事項の適用は任意です。このように現行基準が会計方針の選択幅を広く認めているため、遺産の会計実務は現状、各国でバラバラであり、専用のガイドラインの策定が必要とされています。
この会議で承認されたコンサルテーション・ペーパーでは、遺産の定義、遺産は資産として計上できるのか、その測定はどうするのか、遺産に関連する義務(保存義務)の会計処理等のさまざまな論点について、各国関係者の意見を募っています。特に、無償又は名目的な対価で取得した遺産資産の帳簿価額をどのように評価するのかが大事な論点となっています。
わが国の政府会計では、遺産に関する個別の会計基準は定められておりません。
【IPSASB】国際公会計基準審議会(IPSASB)コンサルテーション・ペーパー「遺産に関する公的部門の財務報告」の解説 | 日本公認会計士協会
コーナー編集担当 伊澤賢司・蕗谷竹生